糸井太夫遺跡(いといたゆういせき)

  利根郡昭和村糸井字太夫にある。1993年に土地改良事業に伴って昭和村教委が発掘調査した。片品川の左岸に立地する。流域には大規模な河岸段丘が形成され、河床からは第1面の段丘にあたる。縄文時代後期と平安時代の竪穴住居のほかに、古墳や土坑などが調査された。縄文時代の遺構は小規模な段丘面に限定されており、後期の敷石住居(称名寺式期)3棟、配石遺構や数多くの土坑がある。遺物は晩期の土器片が多量に出土していて、一つの集落範囲としてとらえることができる。また、かつては古墳群があった地域であるが、現在ではほとんど消滅している。平安時代になると再び集落が形成される。今回の調査で竪穴住居10棟が確認され、9世紀後半から10世紀後半にかけて存続していたと思われる。遺跡出土のものとしては全国で3例目となる鉄製羽釜が14号住居から出土している。出土遺物は昭和村委に保管されている。〈石北直樹〉

[文献]
◇『糸井太夫遺跡』 昭和村教委 1995

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