| 井出村東遺跡(いでむらひがしいせき) |
| 群馬郡群馬町井出にあり、榛名山東南麓の標高120メートル付近の緩斜面地に立地する。1980年から1981年まで、上越新幹線建設に伴って井出村東遺跡調査会が発掘調査した。弥生時代後期、古墳時代中期から中・近世にいたる集落が確認された。特筆されるのは、古墳時代の豪族居館が発見された三ツ寺I遺跡の南に隣接することである。竪穴住居は総数137棟を確認したが、うち5世紀後半から6世紀代のものが90棟近くにのぼり、その8割ほどが三ツ寺I遺跡の館とともに営まれていたものである。これらの竪穴住居群は、館とは低湿地を挟み地形的に隔絶されている。竪穴住居埋土内からは盾形、剣形、斧形などの石製模造品が出土している。同種の遺物は祭祀具と考えられており、館から多量に出土しているが、周辺居住域にも持ち込まれることが判明した。弥生時代後期の集落は、竪穴住居20棟が確認されたが、住居内から多数の土器が出土した。これらは樽式土器の器種組成を示す好例である。このほか中世、近世集落の資料も豊富である。中世と思われる竪穴遺構7基や地下式竪穴土坑2基が確認された。土坑墓や井戸も多数調査され、井戸から出土した板碑に貞治4(1365)年の銘を有するものがある。出土遺物はかみつけの里博物館に保管されている。〈田辺芳昭〉 |
| [文献] ◇『井出村東遺跡』 群馬町井出村東遺跡調査会 1983 |