壱町田遺跡(いっちょうだいせき)

  伊勢崎市上諏訪町にあり、赤城山の泥流丘である権現山から南へ延びる台地上に立地する。1980年から1981年までと1994年の2度にわたって、土地改良事業に伴い伊勢崎市教委が発掘調査した。道路と水路敷部分の調査で、調査面積は1万1000平方メートルである。旧石器時代から中世までの複合遺跡で、竪穴住居43、古墳1、溝31、井戸4、掘立柱建物4が調査された。旧石器時代は1万7000年以前のナイフ形石器1点が出土している。竪穴住居は古墳時代前期が5、古墳時代後期が24、奈良時代が1、平安時代が4、時期不明が9あり、古墳時代後期を中心とした集落と考えられる。古墳、溝、井戸、掘立柱建物はいずれも部分調査にとどまり、詳細の判明したものは少ない。注目される遺物としては、重ねた2個の土師質の碗の中に櫛と古銭3枚が埋納された状態で出土したものがある。遺構は浅い掘り込みが認められるだけだが、周辺に溝や掘立柱建物があることから館の地鎮めの祭祀に関係した遺物である可能性がある。2個の碗は13世紀から14世紀前半のものとみられるが、灯明皿として使用されたものが転用されている。出土遺物は伊勢崎市教委に保管されている。〈須長泰一〉

[文献]
◇『壱町田遺跡』 伊勢崎市教委 1980・1995

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