有馬廃寺(ありまはいじ)

  渋川市有馬字寺畑にある。榛名山東南麓に広がる扇状地に立地する。字寺畑周辺は以前から古瓦である布目瓦の出土地として知られている。渋川市教委の発掘調査では、有馬廃寺に関係する遺構は見つからなかったが、初めて古瓦を寺畑地内で発見することができ、過去の収集資料も含めて検討された。これらの瓦は8世紀前半から9世紀初頭のもので、軒平瓦、軒丸瓦各1が含まれる。軒丸瓦は上野国分寺の代表的な単弁五葉瓦で、中房に蓮子6以上を置く。軒平瓦は偏行唐草文瓦で、上野国分寺の組み合わせと同形態であることが明らかになった。有馬廃寺の性格は官衙かあるいはその影響の強い寺院であった可能性もあるが、いまだに遺跡の位置や性格が確定できない「幻の廃寺」である。発掘調査では、平安時代と弥生時代の集落が見つかった。平安時代には竪穴住居5、土坑11などがある。弥生時代は竪穴住居2、土坑2である。弥生時代中期後半にあたり、壷、甕、台付小甕、蓋、片口土器、石包丁、礫器、石核、石鍬、凹石などがある。土器は赤色塗彩されたものが目立ち、器形的にも信州の箱清水式土器の影響を受けている。出土遺物は渋川市教委に保管されている。〈大塚昌彦〉

[文献]
◇『有馬廃寺跡』 渋川市教委 1986

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