揚原遺跡(あげはらいせき)

  新田郡新田町市野井にあり、大間々扇状地端部に立地する。北部には国指定史跡生品神社がある。1990年に病院建設に伴って新田町教委が発掘調査した。奈良・平安時代の竪穴住居15、掘立柱建物15、井戸2、柵列1などが見つかった。特に掘立柱建物は注目される。11メートル×6メートルの大型の掘立柱建物が2棟あり、うち1棟は西側に庇を持つ構造である。掘り方も1辺1メートル前後と大きい。遺物は少ないが、円面硯1点や「栗」と書かれた墨書土器2点が出土している。本格的な整理作業を行っていないため遺構の年代は特定できないが、掘立柱建物は一般的な集落のものに比べて大きく、柵列を伴うことから官衙に付随する館や厨家あるいは生品神社に付属する雑舎などの性格が推測される。天良七堂遺跡から本遺跡にかけて、律令期の重要な遺跡が確認されており、古代新田郡の中枢地域であったと推定される。出土遺物は新田町教委に保管されている。〈小宮俊久〉

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