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金井下新田(かないしもしんでん)遺跡

平成31年2月 調査
調査場所
渋川市金井字下新田1643番地1他内
調査期間
平成30年11月1日~平成31年3月31日
調査原因
平成30 年度一般国道17号(渋川西バイパス)建設事業に伴う埋蔵文化財調査
委託者
国土交通省
主な時代
縄文・弥生・古墳・古代・中近世
遺跡の内容
2月の調査は、Hr-FA(6世初頭に榛名山の火山活動により堆積した火山灰)下面の調査を行いました。この調査面からは、方形の畝をもつ畠(写真1)や、 畠を区画したと考えられる柵の掘り込み(写真2)を確認しました。掘り込みの断面には、火砕流で倒されたと考えられる植物の痕跡も発見されました。また、Hr-FA降下時には、すでに埋没していた竪穴建物跡4棟を調査しました。そして、4号竪穴建物跡では、床一面に焼土と炭化材が広がっていましたが(写真3)、一般的な焼失した建物とは違った様相でした。この様相の違いは、今後の調査を進めながら解明をしていきたいと思います(写真2)。また、これらの竪穴建物は、周堤の盛土の重複関係からから多少の時期差が認められます。竪穴建物の時期が、出土遺物から5世紀末頃と推定でき、それぞれが近接した時期に、集中して構築と廃棄とを繰り返しています。また、竪穴建物周堤下からは、数多くの遺物が集中して出土する遺構が確認されています(写真4)。
来月は古墳時代の黒色土を掘り下げ、ローム漸移層からローム面で弥生時代から縄文時代の遺構・遺物の確認を行っていきます。
連絡先
金井下新田遺跡調査事務所 090-5490-1699
写真1 Hr-FA下調査区全景(西から)
写真2 Hr-FA下畠全景(北から)
写真3 第4号竪穴建物炭化材調査状況
写真4 第2号遺物集中全景(東から)