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唐堀(からほり)遺跡

平成30年11月 調査
調査場所
吾妻郡東吾妻町大字三島地内
調査期間
平成30年6月1日~平成30年12月31日
調査原因
平成30年度上信自動車道吾妻西バイパス建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県上信自動車道建設事務所
主な時代
縄文・古墳・古代・中近世
遺跡の内容
11月の調査は、3区で縄文時代の水場遺構、土坑、配石、集石などの遺構を調査しました。水場遺構では、流路を調査しました。流路には礫を積み重ねた石組みの導水路、護岸に打ち込まれた杭、水を溜めてトチノミの水さらし作業を行った可能性がある石組みを検出しました(写真1)。また、流路の下流部では大量に廃棄されたトチノミの殻や半分に割れたクルミが出土しました。
22号配石は、幅約1~5m・長さ約8mに及ぶ大型の配石で、10~50㎝ほどの偏平な礫を平らに並べたり斜めに重ねたりして作られていました(写真2)。配石の礫を取り除くと、その下から埋甕が2カ所で検出されました(写真3)。また、282号土坑からは大型の耳飾りが出土しました。径5cmほどの完形品で精巧な文様が刻まれ赤彩の痕跡も残っていました(写真4)。
連絡先
唐堀遺跡調査事務所 070-2622-7862
写真1 水場遺構の調査(上流側から)
写真2 22号配石の調査
写真3 22号配石の下から見つかった埋甕
写真4 282号土坑出土の耳飾り