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前橋市0891(まえばししぜろはちきゅういち)遺跡

令和元年7月 調査
調査場所
前橋市粕川町深津地内
調査期間
令和元年7月1日~令和元年8月31日
調査原因
令和元年度(一)三夜沢国定停車場線社会資本総合整備(防災・安全)(交安・重点)事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県前橋土木事務所
主な時代
古墳時代、平安時代、中近世
遺跡の内容
 本遺跡は、前橋市粕川町深津地内に所在し、標高は約140mで、粕川扇状地の洪積台地南端部の平坦面に位置しています。調査区が南北に細長く広がっているため、調査は北と南を分けて始めました。
南調査区では、近世以降の水田耕作の跡を確認しましたが、それ以前の時代の遺構は検出されませんでした。
 北調査区(写真1、2)では、竪穴建物8棟、土坑、ピット等を複数調査しました。竪穴建物は古墳時代のものが多く、2~3棟の重複も見られました。これらの竪穴建物から出土した土器の時期から、竪穴建物は、古墳時代中頃から造られ、幾度も建て替えを行い継続して構築されていました。18号竪穴建物(写真3)は、一辺が約4mの正方形で重複がありませんでした。カマドは、北東壁に設置されていました。このカマドは、両袖の構築を補強するために、甕を逆さまに置き、袖の芯材として用いていました(写真4)。来月も調査を継続します。
写真1 9区(北調査区)全景(南東から)
写真2 1区A(北調査区)全景(南から)
写真3 18号竪穴建物全景(南西から)
写真4 18号竪穴建物カマド遺物出土状況