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前畑J(まえはたじぇい)遺跡

平成29年9月 調査
調査場所
桐生市新里町地内
調査期間
平成29年9月1日~平成29年11月30日
調査原因
平成29年度一般県道笠懸赤堀今井線の道路改良事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
桐生土木事務所
主な時代
縄文・古墳・平安
遺跡の内容
前畑J遺跡は、桐生市新里町地内にあり、道路拡幅工事に伴う発掘調査のため新里町野の交差点周辺に立地しています。そのため、調査区を3区に分割して9月は1区、3区の調査を開始しました。
1区は交差点の東側の地区で、道路沿いを東西に調査しました。5号住居は1区中央部にあり、古墳時代の竪穴住居で、一辺が約3.6mの正方形で、床面までの深さは約30cmありました(写真1)。カマドは東壁に設置され燃焼部は住居内まで続いており、貯蔵穴はカマドの右側に設置されていました。出土した土師器(写真2)の形から、この住居が古墳時代中頃の竪穴住居だということが分かります。1区西側では、縄文時代の竪穴住居が3軒程度見つかり、浮島式土器(写真3)という前期の土器もほぼ完全な形で出土しました。胴部に貝殻文が施されているのが特徴で、主に東関東に分布する縄文土器です。
3区は交差点北側で道路沿いを南北に調査しました。1号溝(写真4)は、幅約2.6m、深さ約1mで、東西方向に掘られています。溝内からは、内耳鍋や板碑、天目茶碗などの遺物が出土し、中世の区画溝と考えられます。溝の規模や形状から、中世の館跡の存在が想定できます。
連絡先
前畑J遺跡調査事務所 070-4355-1543
写真1 5号住居全景
写真2 5号住居出土遺物
写真3 浮島式土器
写真4 1号溝