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発掘調査の最新情報

下原(しもはら)遺跡

平成29年9月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町大字林地内
調査期間
平成29年7月1日~平成29年10月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・弥生・中世・近世
遺跡の内容
9月は、A区第2面及びB区第2面の調査を行いました。
A区からは、縄文時代の住居や埋甕(うめがめ)、土坑・ピットなどが確認されました。みつかった住居は、床面に平らな石を円形に敷き詰めた敷石住居(写真1)で、炉内から縄文時代後期の土器が出土しています。また、敷石住居の南西には遺物包含層があり、縄文中期~縄文後期の土器片が数多く出土しました。
B区では平安時代から中世の土坑や焼土・柱穴が確認されました。そのうちの土坑から、きれいな石を磨いた「丸鞆」(写真2)が1点出土しました。丸鞆(まるとも)とは、奈良時代から平安時代の役人などが位(くらい)に応じて身につけたベルトの装飾品のことで、この土坑は役人をやったことのある人物の墓なのかもしれません。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 A区 敷石住居調査風景(北から)
写真2 B区 土坑から出土した丸鞆