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前畑J(まえはたじぇい)遺跡

平成29年10月 調査
調査場所
群馬県桐生市新里町地内
調査期間
平成29年9月1日~平成29年11月30日
調査原因
平成29年度一般県道笠懸赤堀今井線の道路改良事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
桐生土木事務所
主な時代
縄文・古墳・平安
遺跡の内容
前畑J遺跡は、交差点に立地しています。そのため、交差点を境に1~3区に分けています。
 交差点東1区は、10月に引き続き、縄文時代の竪穴住居の調査を行いました。9号住居(写真1)は直径約7m、深さ約0.8mですが、北側が道路となるため、床面が確認できたのは4分の3程度でした。ピットは壁に沿って数基見つかりました。また、同心円状に内側にも住居が掘られていたことから、2棟の竪穴住居が重複していた可能性があります。壁の立ち上がりから、外側の住居が古く、内側の住居が新しいことが分かりました。旧石器時代の試掘も行い、1区の調査を終了しました(写真2)。
 交差点南2区は、面積の半分程度掘り下げ、土坑やピットを数基調査しました。また、竪穴住居が数棟検出されおり、11月も引き続き調査を行います。
 交差点北3区では、古墳時代の竪穴住居の調査を行いました。12号住居(写真3)は、S字甕(写真4)が出土したことから、初期の竪穴住居だと分かりました。住居の東側が道路となるため、床面は全て確認できていませんが、1辺が5mを超えているので大型の住居であると考えられます。他にも竪穴住居が数棟検出されており、11月も引き続き調査を行います。
連絡先
前畑J遺跡調査事務所 070-4355-1543
写真1 9号住居全景
写真2 1区東側全景
写真3 12号住居全景
写真4 12号住居S字甕