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発掘調査の最新情報

西宮(にしみや)遺跡

平成29年7月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原畑地内
調査期間
平成29年4月1日から平成29年12月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・中世・近世
遺跡の内容
 5区の調査が終了し、7月は6区を中心に調査しました。6区では、天明泥流で埋没した畑や復旧溝、屋敷跡などの調査を継続的に行っています。屋敷跡には、東西方向に並ぶ建物が4棟あり、それぞれの建物が石垣や水路などによって区画されています(写真1)。建物内には、泥流によって押し倒れた土壁や柱などの建築部材が残り(写真2)、板の間に敷いた茣蓙(ござ)や莚(むしろ)の一部も確認できます。また、漆塗りの椀、曲げ物、木箱、櫛(くし)、下駄などの木製品の他に、陶磁器、鉄鍋、やかん、煙管(きせる)などの遺物が大量に出土しています。
 災害に遭遇した遺跡の最大の特徴は、生活時の状況をそのまま残していることにあり、ここでも天明泥流が押し寄せる直前の人々の様子が徐々に明らかとなっています。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 6区1号建物調査風景(南から)
写真2 6区2号建物木材等出土状況(南から)