国民文化祭2001・おもしろ考古学教室
国際シンポジウム −埋蔵文化財と学校教育−
◆ 趣旨
世界遺産の宝庫として四大文明の地エジプト、オリエント、インド、中国があり、地中海沿岸には西洋文明発祥の地ギリシャ、イタリヤがあります。そこでは華やかな古代・古典考古学が脚光を浴び、地域の埋蔵文化財は忘れられがちです。移民国家アメリカの歴史は開拓史が主流で、先住民の扱いは政治問題とはなっても歴史教育の本流にはなりません。ヴァイキングの北欧、ケルト(ゲルマン)の中欧は自国史と埋蔵文化財に調和がとれ、とりわけ環境保全と史跡保全に熱心なイギリスは多民族国家でありながら、歴史的な環境と学校、博物館を連携させ、埋蔵文化財の教育利用を制度化し、観光ビジネスにも多くの成功例を持っています。
日本では、身近な郷土の歴史や民俗を教材として、積極的に教育に利用しています。しかしこれからの時代、自国史を世界史の一部と感じる鋭敏な国際感覚の育成も欠かせません。国際紛争地の文化財や地域の史料であっても世界史の一部であり、埋蔵文化財はこの観点に最もかなった教材といえます。奇しくも、環境や史跡の保護・活用、教育改革が同時進行しつつある日本とイギリスは、近代以降大戦を挟みつつ深く交わり、今再びこうした文化面で交流を深めようとしています。群馬県埋蔵文化財調査事業団(GARF)は、この国際シンポジウムを通じ、埋蔵文化財の幅広い利用について提案いたします。
◆ プログラム
平成13年10月14日(日)
会場:群馬県総合教育センター
【開場】
9:30〜9:50
【開会挨拶】
小野宇三郎(当事業団理事長)
9:50〜9:55
【日程説明】
9:55〜10:00
【事例発表会】
10:00〜12:00
横山千晶
松井田町立西横野小学校
「ごみ箱の中からわかる生活」
鎌田文子
玉村町立南中学校
「発掘現場を取り入れた授業実践」
鹿田雄三
群馬県立伊勢崎東高等学校
「遺跡見学を取り入れた授業実践」
手島 仁
群馬県立吉井高等学校
「学校設定科目で考古学を教える」
関 俊明
当事業団
「考古学の成果を技術科授業で活かす」
関口めぐみ
倉渕村立川浦小学校
「ティームティーチングで総合的な学習に挑む」
桜岡正信
当事業団
「考古学の専門家が教壇に立つ」
司会:能登 健(当事業団調査研究部長)
【講演】 テーマ:「埋蔵文化財を学校教育に活かすには」
青柳正規
−講演に先駆けてスピーチ−
13:00〜13:00
ドン・ヘンソン
−イギリスにおける考古学教育とCBAの役割−
13:10〜13:55
スティーブ・ワス
−古い昔の新しいお話 ある英国の小学校における考古学授業−
13:55〜14:40
伊藤純郎
−モノが語る歴史学習−
14:40〜15:10
【パネルディスカッション】 論題:「埋蔵文化財と学校教育」
15:20〜16:10
パネリスト: ドン・ヘンソン スティーブ・ワス 伊藤純郎
司会:青柳正規(当事業団理事)
【閉会挨拶】
赤山容造(当事業団常務理事)
16:10〜16:15
◆ 事例発表会
県内の小・中・高等学校の先生方や当事業団職員より、県内における埋蔵文化財を活用した授業実践を具体的な資料や映像等を交えて多数紹介していただきました。
< 事例発表会の様子 >
<松井田町立西横野小 横山千晶先生>
↑
英国でワス先生が行っている「ごみ箱を使った授業」。それを日本の小学校で実践した横山先生。
←
子どもたちを学校の側の発掘現場に連れて行って発掘体験。その学習効果について語る鎌田先生。
<玉村町立南中学校 鎌田文子先生>
◆ 講演
「埋蔵文化財を学校教育に活かすには」というテーマでさまざまな分野ご活躍中の先生方より、それぞれの立場や視点からご講演いただきました。
< 東京大学・当事業団理事
青柳正規範先生 >
< グレートワース・プライマリースクール
スティーブ・ワス先生 >
< 英国考古学評議会【CBA】
ドン・ヘンソン先生 >
< 筑波大学 伊藤純朗先生 >
◆ パネル
事例発表会や講演を受け、ご講演いただいた先生方にパネリストになっていただき「埋蔵文化財と学校教育」という論題で熱くディスカッションしていただきました。また、シンポジウムにご参加いただいた方々からの質問にも答えていただききました。
<パネルディスカッションの様子>
↑
よい授業を多くの学校へ広めるためのCBAの役割についてヘンソン先生に質問する司会の青柳先生。
←
最近の授業には「真似モノ」が多い。先生はもっと自分のカラーを出すべきだと主張する伊藤先生。
◆ 今後の予定
さまざまな人々のご協力を得つつ、本シンポジウムは無事終了いたしました。関係者一同、厚く御礼申し上げます。
ところで、本シンポジウムの内容等をより多くの人々に知っていただくため、当事業団では「報告書」の発行を予定しております。現在準備中ですが、出来上がりしだいお知らせいたします。