「平成14年度 公開考古学講座」のご報告

  毎年、考古学研究の最先端で活躍されている先生をお迎えして、わかりやすく講演していただく「公開考古学講座」が2月15日(土)に前橋テルサホールを会場にして開催されました。
  今回の公開考古学講座では、古代交通研究会会長の木下 良先生に、「道と駅−東山道駅路を主にして−」と題して講演していただきました。県内では、これまでにも高崎市、玉村町、境町、新田町などで東山道駅路と見られる古代道路跡が発見され話題となったこともあり、多くの方々のご来場をいただきました。ご来場いただきました方々や、ご協力いただきました方々に深くお礼申し上げます。   昨年11月に北関東自動車道関連で発掘調査された太田市の大道西遺跡で道幅が12mを越える古代の道が見つかり大きな話題となりました。そこで今回の講座では古代の道に関する研究の第一人者である古代交通研究会会長の木下良先生にご講演いただき、これまでの調査の成果をふまえ古代の道と駅とくに東山道の実像に迫っていただきました。
  道路の歴史は、人が通りやすい所を通って自然とできた踏分道に始まります。古代の道も都の周辺は別として、こうした踏分道を整備した幅1〜2mの屈曲の多い道だと考えられてきました。しかし昭和47年に木下先生ら歴史地理学の研究者が古代交通路を調査した結果、各地に計画的直線道路の痕跡が発見され、その後次々と古代の道が発掘されるようになりました。群馬県においても、高崎市の情報団地遺跡、玉村町の砂町遺跡、境町の矢ノ原遺跡、新田町の下原宿遺跡などで「牛堀・矢ノ原ルート」と呼ばれる幅12m前後の直線道路と、高崎市の浜川芦田貝戸遺跡、群馬町の西浦南遺跡などでは「国府ルート」と呼ばれる幅6mの道路が発見され、古代ローマ帝国のアッピア街道や、中国の秦が造った馳道などと同じような大規模道路の存在が明らかになってきました。