「平成13年度公開考古学講座」のご報告

 去る2月9日(土)に当事業団主催の「平成13年度公開考古学講座」を前橋テルサにて開催いたしました。今回で9回目を迎えるこの講座ですが、藤岡・上栗須遺跡における「富本銭」の発見にあわせて、「富本銭」に詳しく流通経済史がご専門の栄原永遠男先生(大阪市立大学大学院文学研究科教授)を講師に迎え、大変わかりやすく興味深いお話をしていただきました。
会場の様子 栄原先生
ロビーの様子 サイン会
■ 講演のあらまし

 栄原先生は、今回の群馬の発見を大変重要な意味があるとし、東山道などの幹線道路沿いに徐々に普及していったのではないかと考えられています。そして今後、幹線沿いの他の地域でも富本銭が発見される可能性があると指摘されました。
 富本銭は、和同開珎が708年に鋳造される以前の天武朝の時代に鋳造されました。栄原先生は、富本銭を藤原京造営などの国家的大事業の支払いに使用する、銭貨発行収入を得るための日本で最初の通貨と考えられています。つまり、国家的巨大事業の労働や資材の代価として、政府が富本銭を流通させたというのです。同様に和同開珎は平城京造営と発行が重なるのです。