−縄文時代の石囲炉に灰がないこと?−
■ 縄文時代の石囲炉から
 発掘調査で見つかる縄文時代の住居には石で囲った石囲炉と呼ばれる炉があります。隅には土器が埋め込まれているものもあります(写真)。この土器は火種を入れておいたのではないかと考えられています。土器は炉の隅にあるもの中央にあるものなど置き方にもルールがあるようです。発掘調査で見つかる石囲の石はススが付着したりして、使用されたことがわかります。しかし灰が残っていることが非常に少ないのです。ここで注目したいのが、灰がなぜないかということ。使いみちが沢山あったということなのです。つまり縄文人になくてはならない必需品だった?から残っていないという考えです。では、灰はどんな使われ方をしてきたのでしょうか?山菜の灰汁抜きや洗剤の代用・・・。
 つい最近まで利用されてきたのですが、現在の暮らしからは灰の姿が消えかけています。そのような中で、六合村立入山小学校の児童の、灰を使った体験活動を紹介します。
 入山小学校では、総合的な学習の時間の中の50時間を公共学習として前期2講座:各25時間、後期2講座:各25時間に分け、総合的な学習の時間のねらいに即して講座を設定して取り組んでいます。その中の環境講座や、1・2年生の生活科の授業で取り組んだ活動です。
◆ 総合的な学習の時間:環境講座
 講座のねらい
 自分たちの生活と入山の自然についての体験活動や話を通して、自分たちが生活している入山の自然について考え、生活に役立てられる実践力を育てる。
◆ 生活科:春を楽しもう
 内容(5)
 身近な自然を観察したり、季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりして、四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き、自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。


総合的な学習の時間:環境講座

(全25時間の7・8時間目)
「山菜調理実習T」(山菜の灰汁抜き体験)
学習活動 時数 学習内容
○入山の環境について意識調査 学習計画をもとに、自分の学習のめあてや取組みの見通しを持つ。
○山菜採り計画 ・自宅近くで採れる山菜を地図に書き込む。
・山菜採りに向けての話し合いを行う。
○山菜採り実習 ・すだてに行き、山菜採りを行う。
○山菜採りまとめ ・自分の採った山菜を調べる(絵や図を描く)。
・お世話になった地域の方に手紙を書く。
○山菜調理学習 ・山菜の灰汁抜き体験をする。

生活科 「春を楽しもう」(2年)

(1)山菜採りにいこう 〜 これを採らなきゃ始らない 〜
いっぱいとれたよ! これが”わらび”(写真中央)
(2)採ってきた山菜で調理をしよう
【 ワラビの灰汁抜きの方法 】
1)、ボールにワラビを入れます。
2)、その上に全体的に灰をふります。
3)、水をワラビがひたるくらい入れます。
4)、一昼夜、そのまま水に浸しておきます。
5)、そして、調理の時に、右の写真のように
   水洗いして、おひたしにして調理完了です。
しっかりと灰をおとして・・・
(これでいいのかな?)
■ 現在でも使われている灰
 昔は、洗濯にも使われていました。灰を水と混ぜて、灰が沈んだあとの上澄みの水で、洗剤のかわりに使っていました。また、雪の降った後にまいていたという話もあります。今でも、クレンザーの代わりや灰汁抜きに使われています。試しにガラスに付いた汚れを落としてみたら、化学洗剤やクレンザーよりもよく落ちました。「湯飲みの茶渋なんか灰が一番」と地域のおばあさんが教えてくれました。灰のアルカリとしての性質をつかう知恵は、縄文人がすでに知っていたことなんですね。もう一歩踏み込んで、生徒たちにも縄文人の知恵として紹介していきたいと思います。
(入山小学校教諭 奥木芳明)