(いりやまとうげいせき)
−碓氷郡松井田町北野牧・古墳時代−
入山峠の遠景 入山峠遺跡で見つかった石製模造品
(群馬県立歴史博物館提供) (群馬県立歴史博物館 蔵)

 国道18号線碓氷バイパス、長野県と群馬県の県境が入山峠です。
この峠の頂上で、古墳時代はじめの頃の土器、中頃から後期にかけての水晶やガラス製の玉、滑石を使って鏡や剣をかたどった道具などおまつりに使う品々がたくさん見つかっています。中世から近世にかけての、石を積んだ塚もつくられていて古銭が見つかりました。古墳時代のはじめ頃から、江戸時代にかけての長い間、この峠でおまつりが行われていました。
 きっと、国を越える、旅の無事を祈るおまつりだったのでしょう。

■ 見学案内
 碓氷郡松井田町と長野県の軽井沢町にまたがっています。
 碓氷バイパス沿いですが、バイパスは深い切り通しになっているので遺跡の様子を見ることはできません。松井田町からも、軽井沢町からも、細い未舗装道路をたどった峠の頂上の、軽井沢町側に小さな説明板が立っています。

■ ここがポイント
 古代、上野国(かみつけのくに)と呼ばれた群馬県は東山道(とうさんどう)の国の一つとされていました。そして都から、信濃国(しなののくに、今の長野県)をこえて上野国にむかう道、東山駅路(とうさんえきろ)が通っていました。
 この道は、時代によって何回か道筋が変わっています。信濃国から上野国に入ってくる道筋としては、江戸時代の中山道にも引き継がれる碓氷峠が有名ですが碓氷峠は奈良、平安時代の東山駅路が通った峠のようです。
 入山峠遺跡ではそれより古い古墳時代のまつりの道具が、たくさん見つかっています。これから考えると、入山峠を通っていた道は古墳時代に拓(ひら)かれた、国越えの道だったのでしょう。

■ もっと知りたい!
 群馬県碓氷郡松井田町大字北野牧字八風平、大字入山字上原、長野県北佐久郡軽井沢町潜岩にあります。
 標高1034mの入山峠の頂上付近、30m四方の範囲で古墳時代から江戸時代にかけての祭祀遺物が多量に発見されて、「東山道碓氷坂」にかかる祭祀遺跡として注目されました。古代の交通路における祭祀を考える上でもっとも重要な遺跡でしょう。
 管玉、勾玉、水晶製棗(なつめ)玉、ガラス玉、臼玉、有孔円板、剣形模造品、刀子形模造品、弥生土器、土師器などが見つかっています。
 入山峠遺跡は、古墳時代の遺物が主体で、古代の遺物は少ないところから、今の碓氷峠へ交通路が変更された奈良、平安時代以前に拓かれた古東山道ルートの一部であったと考えられています。出土遺物は、軽井沢町教育委員会と群馬県立歴史博物館が保管しています。
<洞口 正史>