(ひついし)
−勢多郡宮城村三夜沢・古墳時代−
(宮城村教育委員会提供)
櫃石
櫃石から見つかった手づくね土器
(真隅田吉安氏蔵)
櫃石から見つかった石製模造品

 赤城山の中腹、宮城村大字三夜沢にある、大きな石が櫃石です。
 長径4.7m、短径2.7m、高さ2.8m、周囲12.2m程の、南北に長い自然の石です。まわりにもいくつか石がありますが、ひときわ大きくて目立ちます。
 この石のまわりから、小さな手づくねの土器や、滑石で作られた玉や剣形の飾りなど古墳時代のまつりに使われた品物がたくさん見つかる、ということが江戸時代から知られていました。なかには、7cm以上もある大きなヒスイの勾玉もありました。
 山や、大きな石に神様が降りてくる、という信仰があったことを示す代表的な遺跡として県の指定史跡になっています。


■ 見学案内
 三夜沢赤城神社の裏手にあたり、赤城荒山と赤城神社を結ぶ線上に当たると言われます。
 社殿裏の急な山道を、1時間ほど登ったところにあります。
 三夜沢赤城神社までは前橋駅から車で40分ほどかかります。

■ ここがポイント
 櫃石のまわりから見つかる、さまざまな品物には、実際の生活で使う、というものはほとんどありません。
 おまつりのための道具ばかりです。
 神様が高い山に住んでいる、あるいは、高い山をめじるしに、この世に降りてこられると言う考え方や、大きな岩や石には神様が宿られる、と言う考え方が古墳時代の人々に、広く受け入れられていたようです。
 まわりには、古墳時代のムラの跡はありません。櫃石は一つのムラがまつりを行うのではなくて、いくつものムラがまつりをする、そんな場所であったのかも知れません。

■ もっと知りたい!
 宮城村のホームページには、宮城村の歴史と文化を紹介するページがあります。
 いまでも、赤城山は信仰の対象になっています。そして、赤城山のふもとには、大きな岩をまつっている神社も、少なくありません。古墳時代のまつりが、姿を変えながらも現代までつながりを保っているのかも知れませんね。
<洞口正史>