(かがみいしこふん)
−利根郡昭和村川額 古墳時代−
鏡石古墳は岩下清水古墳群の南端にあたる、利根川左岸の段丘上の緩傾斜地にあります。地中に埋もれていた古墳は、県道の改良工事のときに偶然発見されました。直径7mほどの小さな円墳ですが、残りが大変よく、墳丘のつくり方や埴輪のならべ方なども確認できました。主体部から出土した人骨などからもたくさんのことがわかっていて、この地域を代表する内容を持った古墳といえます。
■ 見学案内
JR上越線岩本駅から車で約10分
■ ここがポイント
有名な子持村・黒井峯遺跡の村を埋めた6世紀後半の榛名山二ツ岳の噴火は、昭和村周辺にもたくさんの軽石(Hr-FP層)を降らせていました。鏡石古墳は、この軽石で埋もれたままのこされていた古墳です。墳頂部は後世のかく乱を受けていますが、軽石層は墳丘裾部では1.5mも積もっていたため当時の様子がよくわかります。二段築成された墳丘は、礫によって石積みされたいわゆる「積石塚」です。このような造りの古墳はめずらしく、利根川上流域から中流域にわずかに見られます。
■ もっと知りたい!
墳頂部と中段に円筒埴輪がまわり、墳頂部には方形に配列された円筒埴輪の区画内に家形埴輪も立てられていたようです。埋葬施設は、長さ1.85m、幅50〜60cmで、石を箱形に積んだ竪穴式石室です。3枚の板のように平たい石でふたがされていました。石室の中からは、推定40〜50才ほどの男女一対の人骨が出土しています。
古墳の時期は、上記の特徴や出土した土師器などから6世紀前半と考えられます。
出土した遺物は、事業団に保管されています。
〈春山 秀幸〉