埋文事業団の研究員、関口美枝さんは、石器の専門家です。
 発掘情報館の展示室で、黒曜石の展示を担当しました。
いろいろな石が石器の材料として使われていますが、一番良く知られているのが、この黒曜石でしょう。
 関口さんは、この黒曜石に興味を持っているそうです。

発掘情報館の展示風景:黒曜石
発掘情報館の展示風景:黒曜石

 黒曜石は、透き通るように黒く光る、きれいな石です。
 火山の熱が作った「自然のガラス」とも言われているように、ガラスのような鋭い割れ口ができる性質を持っています。
 肉や皮を切ったり、突き刺したりするための石器を作るには、最高の石だったでしょう。


 関口さんは、いくつもの遺跡を発掘調査して、黒曜石で作られた石器をたくさん見つけました。
 ところが群馬では、石器の材料になるような黒曜石はとれないそうです。
 そこで関口さんは、黒曜石の産地として有名な長野県や栃木県の山を訪ねました。

 がけの下や、谷川の中に転がっている石の中から黒曜石を探し出して、群馬で見つかる石器に使われている黒曜石と比べてみることにしたのです。
そうすれば、どこでとれた黒曜石が、群馬の石器に使われているかわかるはずです。
 黒曜石の中に含まれている、ちょっとした成分の違いから、どこでとれた黒曜石かわからないかと、特別な方法で調べてみました。
すると、群馬でみつかる黒曜石の石器は、やはり長野や栃木の石で作られていることがわかったんです。
 遠くから運ばれた黒曜石が使われていたのです。

 黒曜石だけではなくて、ひすいや、黒色安山岩という、やはり石器作りに使われる石も、いろいろな地域から群馬に持ち込まれた石であることがわかってきました。
 情報館には、関口さんが見つけた、遠い旅をしてきた石が、たくさん展示されています。
関口さんが語る、原始の旅のものがたりを、あなたも聞きに来ませんか?

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