発掘情報館
ピロティ(屋外体験)
石うすのルーツ
最も古い粉ひき道具は、9000年くらい前のヨルダンという国などにあるということが分かっています。
ヨルダンという国は、ピラミッドで有名なエジプトのおとなりの国です。
その粉ひき用の道具というのは、浅くくぼんだ大きなお皿のような形をした石皿(いしざら)と、すり石と呼ばれる丸い石のセットでした。
石皿のくぼみにコムギなどを入れ、すり石ですりつぶして、粉をひいたのです。
日本の縄文時代にも同じものがありますが、縄文時代の石皿はドングリなどの木の実をすりつぶすのに使われていたようです。
いまから4000年くらい前のエジプトの「サドルカーン」と呼ばれる粉ひき道具も同じような形をしていました。
ただ、石皿もすり石もより大きなものを使うようになります。
大きくなった分だけ、より多くの粉をひくことができるようになったのです。
石皿もサドルカーンも、すり石を前後に動かして粉をひきました。
それでは、いつごろから石うすのように回転させて粉をひくようになったのでしょうか。
その始まりについてははっきりしませんが、どうやら「ロータリーカーン」と呼ばれるものがその始まりではないかと考えられています。
ロータリーカーンは回転する「うす」の全部をいいあらわす名前ですから、場所により形はいろいろでした。
回転式のロータリーカーンは形を少しずつ変えながらヨーロッパや中国に広まり、日本へ伝わったのです。